こんにちは、トゥモローハウス株式会社の三田(サンダ)です。
京都の伊根にある空き家の舟屋をカフェや宿にリノベーションをして、海外からの観光客を呼び込んでいるという事例を
先日の不動産実務セミナーで紹介されていました。
リノベーションに関心のある方や不動産投資家の方には民泊のネタとして、田舎の空き家をお持ちの方にも
空き家の活用のヒントになるのでは、と思いましたので情報共有させていただきます。
写真引用 SUMOジャーナル 写真撮影:井村幸治
舟屋が立ち並ぶ様は日本の古き良き風景ですが、舟屋にも空き家問題が忍び寄ると聞いて、なるほどと思いました。
よくよく考えると漁業も農業と全く同じ状況で、高齢化・人口減少の波に直面しているため、
当然、空き家の舟屋も発生しているわけです。さらに、舟屋という漁業に従事する人のための住居という用途が
ある故に一般に取引されるということも極めて、少ないことが想像できます。
京都といえば、日本有数の観光都市ですが、貴船をはじめとする夏場の涼しさを取り入れるのに自然の川を利用した川床で
水場を上手く利用したり、古い京町家を宿として利用したりといった観光利用も得意としている地域だからでしょうか、
こういった空き家の舟屋をカフェや宿として活用するアイディアの着眼点が秀逸に感じました。
さて、少し気になったので不動産・建築の視点で具体的に空き家の舟屋をリノベしてお宿にする場合を考えてみましょう。
舟屋の2階を宿にするには、旅館業法と建築基準法と消防法を照らし合わせて、コンバージョンは必要になりますね。
延べ床面積が書かれていないので、写真を見る限りでの想像ですが、1階はほぼ、船を収納する船着き場になっていますので、
実際のお宿として貸し出す面積は100㎡より小さいように思います。
この事例では、クラウドファンディングを利用されていますが改装費費用が840万となっています。
一般論として、空き家の活用でネックになるのは、改装の資金をどうやって捻出するかという点があります。
入り江のほとりに佇む舟屋の情緒のある風景がイメージでき、ストーリーが感じられますので、クラウドファンディングで
資金調達も可能になったのだと思います。
釣り好きな私も機会があったら、個人的に舟屋に泊まることができるなら、一度泊まってみたいなあと思いました。
こうした舟屋のある地域は京都だけでなく、全国の漁港周辺で観光スポットになっている場所にもあると思うのですが、
エアビーなどの民泊で出したら、人気が出そうだなと思いました。
実家が漁師を営んでいて舟屋の関係者さんがいらっしゃれば、トライしてみてはどうでしょう。
若手の方で地元にUターンして家業を継がれる方も、舟屋を借りて、アンテナショップを出すというのも話題になりそうです。
不動産投資家の方の視点ですと空き家となっている舟屋が売買や賃貸されているケースがあるのかなと思いまして、
ちょっと調べてみようと思います。
旅館や民宿などは、売り物件に出ているケースは、見かけますが、舟屋となるとどうでしょう?
もし、舟屋をお持ちの関係者さんや実家で漁業やっていて、そのあたりの情報をお持ちの方が
いらっしゃいましたら、ご一報ください。
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SUMOジャーナルで京都伊根町の舟屋リノベーションで
詳しく解説されていましたので、記事の引用
http://suumo.jp/journal/2015/02/12/77603/
「舟屋」をリノベーション、京都伊根町の空き家問題解決策に注目
写真撮影:井村幸治
「伊根の舟屋」で知られる京都府伊根町、この街でも人口減少と高齢化によって空き家となる舟屋が増え、伝統の街並みをどう残していくかという課題に直面している。空き家となった舟屋をリノベーションし、伝統建築を残していく新しい動きをご紹介しよう。
舟屋にも忍び寄る空き家問題、リノベーションは解決策となるか?
伊根町は国の「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されている美しい街。1階が船や漁具を収める“ガレージ”、2階が住居という「舟屋」が約230軒、静かな伊根湾を取り囲むように立ち並んでいる。建物はほとんどが明治から昭和初期にかけて建てられたもので、街の大通り(と言っても車がすれ違うのがやっとの細い道)をはさんで山側に母屋を設けた家が多い。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで二つ星を獲得し、観光客は増加傾向、さらに世界遺産登録を目指しているそうだ。
しかし、高齢化・人口減少問題はこの地域でも課題となっており、舟屋にも空き家が増え始めている。江戸時代から続く伝統の舟屋建築を残していくためのチャレンジが、カフェと小売店を併設した短期の賃貸物件へとリノベーションするプロジェクトだ。建物が完成し、初めてのお客さまを迎えるという当日、現地を訪ねてみた。
【画像1】舟屋は伊根湾に沿うようにカーブしながら続く(左)。大通りには木造建築が連なり風情ある景観をつくりだしている(右)(写真撮影:井村幸治)
京町家のリノベーションにも通じる、古民家再活用のアイデア
リノベーションされた建物は伊根湾の中心部・鳥屋(とや)地区にある。舟屋の2階をキッチンと温泉露天風呂が付いたコンドミニアム風に改装し、日単位で貸し出すスタイルをとる。料金は1泊2日で1万2000円(1名)、定員は2名とのことだ。1階は船のガレージ部分を埋めてカフェスペースとし、和菓子の製造販売も行っている。上下階で別々の施設につくり替えたと考えればいいだろう。
事業を手掛ける株式会社京都北P&Mの代表、そして伊根町商工会会長でもある濱野儀一郎氏に、その背景についてお話を伺った。
「舟屋は小さな建物も多く、旅館としては使いづらい点もあるため、貸別荘のようなスタイルで手軽に利用できることを優先したプランにしました。でも、伊根には観光客の方が楽しめるようなお店が少ないことも課題だと思っていて、カフェや雑貨店、飲食施設や土産物店などの施設をたくさん設けられるよう、舟屋の持つ魅力を残しつつ1階と2階に別の役割を持たせた建物に改装しました。地元の人たちに仕事をつくり出すという意味もあり、近所のおばあちゃんたちの手づくり干物などを販売してもらうことも考えています」とのこと。
京都市内では京町家をリノベーションした建物が売買、賃貸物件として人気を集めているが、同じような発想ともいえそうだ。舟屋建築は、住居や宿泊施設に限らず、ショップやレストラン、カフェとしても再活用できる可能性を秘めている。
【画像2】建物の向こう側は伊根湾(左)。店舗部分も以前は海だったところを埋めたものなので、テーブルのすぐ奥は海だ(右)(写真撮影:井村幸治)
【画像3】窓辺には伊根湾を眺められる温泉露天風呂を新設、お湯は温泉旅館の源泉から運び込んでいる(左)。柱や梁は舟屋建築を活かしながらも、内装は一新(右)(写真撮影:井村幸治)
【画像4】1階は手づくり和菓子を楽しめる甘味処。甘味処のスタッフと伊根湾ガイドの皆さんから、伊根湾の歴史と街の楽しみ方を聞かせていただいた。昔は鯨もとれたそうだ(写真撮影:井村幸治)
840万円の改装資金がクラウドファンディングによってあっという間に集まった
もうひとつ、注目しておきたいのが資金集めにクラウドファンディングを活用したという点。今回のプロジェクトは京都銀行とミュージックセキュリテーズによるクラウドファンディング案件の第1弾でもあった。約840万円の改装資金を1口2万円強の小口投資ファンドとして募集したのだが、注目度も高くあっという間に応募で埋まってしまったという。
出資者には配当のほかに特産品や宿泊券特典があったことも人気の一因なのかもしれないが、それ以上に舟屋の街が持つ将来性への期待感があったのだろう。街おこしやリノベーションの費用をクラウドファンディングで集めるという手法は他のエリアでも参考にできそう。実際、現地の見学とヒアリングを兼ねて沖縄方面の事業者が訪れていた。
舟屋の空き家物件はまだいくつもあるということなので、アイデアと実行力に自信があるという人は舟屋のリノベーションにトライしてみてはいかがだろう。空き家を活用したU&Iターン事例が次々に誕生すれば伊根町の活性化にもつながるはず。地域創生のひとつのヒントにもなりそうだ。
【画像5】半島に囲まれ日本海の荒波から守られた静かな湾には、ぐるりと取り囲むように舟屋建築が立ち並び、その数は約230軒。想像以上に沢山の家々が連なっている風景に驚く(写真撮影:井村幸治)
●伊根 油屋の舟屋「雅(みやび)」 (問い合わせは 奥伊根温泉 油屋)
http://www.ine-aburaya.com/
●伊根町ホームページ
http://www.town.ine.kyoto.jp/
●ミュージックセキュリテーズ ファンド資料 伊根 油屋の舟屋「雅(みやび)」
http://www.musicsecurities.com/communityfund/details.php?st=a&fid=802&_ga=1.145273012.1495710716.1420609445
井村幸治
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